無駄だってこと。思い知れ。

たとえばここに、欲しくてたまらなかったものがあったとする。

手に取れば痛い目にあうかもしれないが、

手に届く場所にある。



お前ならどうする、カミサマ。
聞くまでもないか。



######



「私はただ彼に手伝いを頼みたかっただけなんだが?」
「うるっさいわね!団員を使うには団長たるあたしの許可が必要なのよ!」


こっそりこいつに生徒会の手伝いを頼んだのは、
実際人手が足りなかったのもあるが

下心も多分になくもなかった。


だから涼宮にバレたのは正直痛かったが…。

それにしても思った以上に独占欲を見せてきた。

素直に感情を出せて、うらやましいことだ。



「おいハルヒ、俺は別にかまわないんだが…。」
「あたしがかまうの!あんたも団員たる資格が足りてないわ!!」

おいおい、どういう理屈だ?
「個人の行動を束縛するのは感心できないが?」

「うるさいわね!これがSOS団の規則ってものよ!」

おいこら、そんな拘束堂々としてるのを会長にばらしてどうするんだ?
それこそ俺が普通の生徒会長だと聞き捨てならんぞ。聞き捨ててやるがな。



「とにかく!キョンを使いたかったらあたしの許可をえなさいよ!わかったわね?!」

「けたたましいな。彼は君の所有物か?」
流石にイライラしてきたので、聞いてみる。



「そうよ!当然じゃない。」

即答かよ…。

「おーい、ハルヒ。いつからそうなった。」

ってかお前ももっと拒否れ!!


「最初からよ!」
「お前なあ…。」



こら、ちょっとまて。


何でこんなバカップル仕様な会話になってるんだ?
正直かなり妬ましいんだが?



そう思っていると、あいつが俺の眼を見てアイコンタクトしてきた。




『すみません、今度また手伝いに来ますので。』

そう言っているようだ。



…ならいいか。



「おい、ハルヒもう帰るぞ。」

「そうね、もう話すことはないわ。」



おい。お前さんざん喚いてそれか。
突っ込みは心においておいて、とりあえず見送ると。



煙草に火をつけた。




無駄な努力はしない主義だが…。



してもいいかと思わされてしまった。
諦めるなんてそれこそ無駄な努力だ。


思い知った。





end


乙女会長第3段か第4段…(笑)
まだまだいけそうですね;;



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